ロボット娘(その7)

家に入る前に、個室セルAIが積んであるトラックによると、ちょうど研究員が、専用シートに座って、動かしていた。
マイクで美和さんと会話しながら、大画面を見て、手足を動かしている。
「ねっ、簡単そうでしょう。顔と手しか動かしてなくて、移動の時は足でアクセルとブレーキ、そして方向は顔の向きで」
『フリーモード』と研究員が声を発した。ゆっくりと慎重に手を動かしていたかと思うと、急い早く動かしている。
さらには、手を使ってロボットを前や後ろに移動させている。
『フリーモード』では、自分の手の延長のようにロボットを使えるようだった。

「ねっ!ねっ!簡単でしょう?」

「ふーん」と言ったきり、おばあちゃんは黙り込んでしまった。

(その8へ続く)