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想いと感情

アバターロボットというだけで生じる出来事に関する話です。

ロボット娘(その6)

居間に戻ると、「晴代ちゃん、おばあちゃんが、買い物に行きたいんだって。一緒に行って来てくれない?」 「えーっ、私ここに居たいのに」 「お願いだから、後でこのロボットの中見せてあげるから。ねっお願い!」 「絶対よ。絶対見せてね!」 「分かったわよ、さぁいってらっしゃい。」と言って、出かけたおばあちゃんと晴代ちゃん。 買い物を終えて帰る道すがら、おばあちゃんがポロリと言った。 「ロボットに介護される未 […]

ロボット娘(その2)

「一週間で10万円?」 「そうよ、それだけ年をとった方の意見は重要なのよ。嘘じゃないわよ。」とまた、唇の左ハシが少し上がる。 いけない。いけない。これは罠だ。罠に決まっている! しかし、10万円ということに対し、嘘も言っていない。これは娘だから断言できる。 「ねぇ、お母様は、いつもお父様に肩を揉んでもらって、いつも上手だと言ってたから、そんな風に揉めたら良い製品になると思うの」 「それに、私は大阪 […]

ロボット娘(その1)

「美和さんが来ました。美和さんが来ました」というロボットの声を聞いた武子さん。 娘から、アバターロボットを実家に置きたいのと言う話があった日のことを思いだし、 チラリと緊急停止ボタンのついたリモコンを見た。 元々、機械好きであった娘であるが、まさか、あんな提案をしてくるなんて! あんな提案とは・・・ 「お母様、開発中のアバターロボットのモニターをしてくれない?」 そう言った後、娘の唇の左ハシが、少 […]